保育要録をAIで作る方法|ChatGPTで5領域の文章を効率よく作成するプロンプト集
保育要録をAIで効率よく作成する方法を紹介します。ChatGPTで5領域・総合所見・年間の育ちを整理するプロンプトや、個人情報保護、確認ポイント、保育士が仕上げる際のコツまで分かりやすく解説します。

卒園・進級の時期になると、保育要録の作成に追われる保育士は多いです。日々の保育メモや日誌、月案・週案をもとに、健康・人間関係・環境・言葉・表現の5領域の視点を踏まえながら、1年間の育ちをまとめる作業は、時間も労力もかかります。
この負担を軽減する手段として注目されているのがChatGPTなどのAIです。ただし、保育要録は子どもの育ちを記録する公的な書類であり、「AIに書かせて提出する」ものではありません。あくまで保育士が日々の記録をもとに考えをまとめる際の「下書き作成・整理・言い換え」をAIに任せ、最終的な評価と確認は保育士自身が行う、という位置づけが重要になります。
AIで効率化できるのは、メモの整理・要約・言い換えです。正式な様式への記入、子どもの育ちの評価、事実確認、最終判断は必ず保育士が行います。また、AIに入力する前には個人情報を削除し、園のルールを確認したうえで使用します。
本記事では、保育要録作成にAIを安全に活用する考え方と、実際にコピーして使えるプロンプトを、5領域の視点・総合所見の視点から紹介します。
この記事で分かること
- 保育要録のうち、AIが得意な部分と保育士が担う部分の違い
- AIに保育メモや日誌を入力する際の注意点(個人情報保護を含む)
- 保育メモ・日誌・月案・週案から保育要録の文章を作るプロンプト
- 5領域の視点・総合所見の視点で使えるプロンプトと生成例
- AIが作成した文章を提出前に確認するためのチェックポイント
保育要録はAIでどこまで作成できる?

保育要録とは
保育所児童保育要録は、子どもの育ちや保育の過程を、就学先の小学校などへ引き継ぐための記録です。実際の書式や項目名は自治体・法人・園によって異なります。本記事では、健康・人間関係・環境・言葉・表現の5領域を、記録を振り返るための整理の視点として活用する方法を紹介します。
AIに任せやすいこと・保育士が行うこと
AIと保育士の役割は、次のように分けて考えるとわかりやすいです。 AIに任せやすいこと 保育士が行うこと メモの整理 事実との照合 内容の要約 子どもの育ちの見立て 言い換え・文体の調整 園の様式への反映 文字数の調整 最終確認と提出判断
AIが得意なこと
AIは次のような作業を得意とします。
- 断片的な保育メモを、まとまった文章に整理すること
- 長い日誌や月案・週案の内容を要約すること
- 同じ内容を異なる言い回しで書き換えること(言い換え)
- 文体や語尾を指定の形式に統一すること
これらはいずれも「すでにある情報の整理」であり、AIの処理能力が活きる領域です。
AIだけでは作成できないこと
一方で、以下はAIだけでは代替できません。
- 子どもの育ちに対する保育士としての評価・見立て
- 実際に起きた出来事が事実と一致しているかの確認
- 記録として提出してよいかどうかの最終判断
AIはあくまで「材料を整理する道具」であり、評価・確認・最終判断は保育士が担います。この前提を崩さないことが、AIを安全に活用する上での大前提となります。
保育要録でAIを使う前に知っておきたい注意点
個人情報は入力しない
保育メモや日誌には、子どもや家庭に関する個人情報が含まれることが多いです。ChatGPTなどの生成AIに入力する前に、次のような情報は削除・置き換えを行います。
入力してはいけない情報の例
- 子どもの氏名・生年月日
- 保護者の氏名・勤務先・連絡先
- 園名、クラス名、詳細な地域名
- 住所
- 顔写真、名札が写った画像
- 診断名、病歴、家庭事情
- 個人を推測できる珍しい出来事
子どもの氏名を「A児」「B児」などの記号に置き換えるだけでは十分とは限りません。年齢、地域、家庭状況、珍しい出来事などの情報を組み合わせると、個人が推測できてしまう場合があります。文章作成に必要のない情報は、匿名化後も削除しておきましょう。個人情報の取り扱いについては「保育士のAI個人情報保護」も参考にしてください。

園のガイドラインと利用サービスの条件を確認する
園によっては生成AIの利用に関する独自ルールを定めている場合があります。AIを業務で使う前に、必ず園のガイドラインを確認しましょう。ルールが未整備の園では、主任・園長に相談したうえで利用を始めることが望ましいです。
本記事で紹介するプロンプトは、一般的な生成AIの無料プランでも利用できる場合があります。ただし、業務での利用可否、入力データの取り扱い、アカウントや設定に関する条件はサービスごとに異なり、変更されることもあります。利用前に、園の規程と利用するサービスの最新の利用条件をあわせて確認しましょう。詳細は「保育園AIガイドライン」を参照してください。
AIは下書き作成として使う
AIが生成した文章は、あくまで「下書き」として扱います。生成された内容をそのまま提出するのではなく、事実確認・表現の調整・保育士としての評価の追加を経て完成させましょう。この一手間が、保育要録の質と正確性を担保します。
保育要録作成に使えるChatGPTプロンプト

以下は、そのままコピーして使える完成版プロンプトです。個人を特定できる情報を削除したうえで、角括弧内を実際のメモ内容に置き換えて使用してください。文体は、園から指定がある場合はその指定を優先し、指定がない場合は常体(である調)を使用します。
基本プロンプト
あなたは保育の専門知識を持つ文章作成アシスタントです。 以下の保育メモをもとに、保育要録に適した文章を作成してください。 条件 ・文体は園の指定がある場合はそれに従い、指定がない場合は常体(である調)で書く ・子どもの姿を具体的かつ客観的に記述する ・メモにない出来事や根拠のない評価を加えず、事実に基づいて記述する ・子どもの育ちに関する最終的な評価や見立ては行わず、保育士が確認・追記できる下書きとして作成する ・150〜200文字程度でまとめる ※氏名、園名、住所、家庭状況など、個人を特定できる情報は削除したうえで入力してください。 保育メモ: [ここに保育メモを貼り付け]
保育メモから文章を作るプロンプト
以下は保育士が日々記録した簡単なメモです。 このメモをもとに、保育要録の記述として使える文章に整えてください。 条件 ・メモの断片的な情報をつなげ、自然な文章にする ・脚色や誇張は行わず、メモの内容の範囲で記述する ・文体は園の指定がある場合はそれに従い、指定がない場合は常体(である調)に統一する 保育メモ: [お絵かきの時間、友達と色を貸し借りしていた。最初は一人で描いていたが、途中から隣の子と会話しながら描くようになった]
生成例:
制作活動の際、当初は一人で取り組んでいたが、次第に隣席の友達と言葉を交わしながら色を貸し借りする姿が見られた。
日誌から要録へまとめるプロンプト
以下は数日分の保育日誌の抜粋です。 この内容から、保育要録に記載できる「継続的な育ちの様子」を1つの文章にまとめてください。 条件 ・単発の出来事ではなく、繰り返し見られた様子を中心にまとめる ・時期による変化がある場合はその変化がわかるように書く ・150〜200文字程度でまとめる 日誌抜粋: [ここに複数日分の日誌を貼り付け]
保育日誌の記録方法自体を効率化したい場合は保育日誌をAIで作る方法もあわせて確認してください。
月案・週案を参考に整理する方法
月案・週案に記載したねらいと、実際の子どもの様子を照らし合わせることで、ねらいに対する育ちの過程を文章にまとめやすくなります。
以下は該当期間の月案・週案のねらいと、実際の子どもの様子のメモです。 ねらいに対して子どもがどのように育っていたかがわかる文章を作成してください。 条件 ・月案・週案のねらいと、実際の姿を対応させて書く ・ねらいが達成できていたか、過程にあったかが伝わる記述にする ・150〜200文字程度でまとめる 月案・週案のねらい: [ここにねらいを貼り付け] 子どもの様子メモ: [ここに様子のメモを貼り付け]
月案・週案の作成自体をAIで効率化する方法は保育園の月案をAIで作る方法、保育園の週案をAIで作る方法で解説しています。
5領域の視点で記録を整理するChatGPTプロンプト例

園の様式に5領域別の記入欄がない場合でも、健康・人間関係・環境・言葉・表現の5つの視点で1年間の記録を振り返ると、育ちの様子を整理しやすくなります。ここでは、5領域それぞれの視点で使えるプロンプトと、入力・生成の例を示します。
健康
以下のメモをもとに、健康の視点(食事・排泄・運動・生活リズムなど)から 子どもの育ちが伝わる文章を作成してください。 150文字程度、文体は園の指定がある場合はそれに従い、指定がない場合は常体で記述してください。 メモ: [ここにメモを貼り付け]
入力例:「外遊びの時間に走り回ることが増えた。以前より午睡の入りがスムーズになった」
生成例:
戸外活動では以前にも増して活発に体を動かす姿が見られるようになった。生活リズムも安定し、午睡へ向かう入眠もスムーズになっている。
人間関係
以下のメモをもとに、人間関係の視点(友達や保育士とのかかわり方の変化など)から 子どもの育ちが伝わる文章を作成してください。 150文字程度、文体は園の指定がある場合はそれに従い、指定がない場合は常体で記述してください。 メモ: [ここにメモを貼り付け]
入力例:「最初は一人遊びが多かったが、最近は同じ遊びをする友達を自分から誘うようになった」
生成例:
入園当初は一人遊びを好む姿が見られたが、次第に興味を共有する友達を自ら誘い、共に遊びを展開する姿が増えていった。
環境
以下のメモをもとに、環境の視点(自然物、数量・文字などへの興味や関わり)から 子どもの育ちが伝わる文章を作成してください。 150文字程度、文体は園の指定がある場合はそれに従い、指定がない場合は常体で記述してください。 メモ: [ここにメモを貼り付け]
入力例:「図鑑で見た虫を園庭で探すようになった。数字にも興味を示し、友達の人数を数えている」
生成例:
図鑑で得た知識をもとに園庭の生き物を探索する姿が見られ、身近な自然への関心が深まっている。数量への興味も広がり、友達の人数を自ら数える姿も見られた。
言葉
以下のメモをもとに、言葉の視点(言葉のやりとりや表現の広がりなど)から 子どもの育ちが伝わる文章を作成してください。 150文字程度、文体は園の指定がある場合はそれに従い、指定がない場合は常体で記述してください。 メモ: [ここにメモを貼り付け]
入力例:「単語での発話が多かったが、最近は二語文・三語文で気持ちを伝えられるようになった」
生成例:
当初は単語での発話が中心であったが、次第に二語文・三語文を用いて自分の気持ちを伝えられるようになり、言葉によるやりとりの幅が広がっている。
表現
以下のメモをもとに、表現の視点(音楽・造形・身体表現などにおける育ち)から 子どもの育ちが伝わる文章を作成してください。 150文字程度、文体は園の指定がある場合はそれに従い、指定がない場合は常体で記述してください。 メモ: [ここにメモを貼り付け]
入力例:「歌に合わせて体を動かすことを楽しんでいる。制作でも自分なりの色使いをするようになった」
生成例:
音楽に合わせて自由に体を動かすことを楽しみ、表現する喜びを感じている様子がうかがえる。制作活動では自分なりの色使いを工夫する姿も見られるようになった。
総合所見プロンプト
以下は5領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の視点でまとめた記述です。 これらをもとに、1年間の育ちを総合的にまとめた「総合所見」を作成してください。 条件 ・5領域の内容を踏まえ、全体的な育ちの傾向がわかるようにまとめる ・特定の領域に偏らず、バランスよく触れる ・250〜350文字程度でまとめる ・文体は園の指定がある場合はそれに従い、指定がない場合は常体(である調)で記述する 5領域の記述: 健康:[ここに健康の記述を貼り付け] 人間関係:[ここに人間関係の記述を貼り付け] 環境:[ここに環境の記述を貼り付け] 言葉:[ここに言葉の記述を貼り付け] 表現:[ここに表現の記述を貼り付け]
生成された総合所見は、5領域の内容を単純に並べただけになりやすいため、子ども一人ひとりの1年間の育ちの流れが自然につながるよう、保育士自身の視点で加筆・調整することが重要です。
AIで作成した保育要録を仕上げるチェックポイント
事実と一致しているか
AIが生成した文章が、実際の保育メモや日誌の内容と一致しているかを確認します。AIは自然な文章を作る過程で、実際にはなかった表現を補ってしまうことがあるため、事実との照合は欠かせません。
読み手に誤解を与える表現がないか
保育要録は就学先へ引き継がれる記録であり、保護者の目に触れる場合もあります。断定的すぎる表現や、読み手によって誤解される表現がないかを確認し、必要に応じて表現を和らげましょう。ただし、事実と異なる内容まで前向きに書き換えることは避けましょう。
園の書式に合っているか
文字数、文体、記載項目の順序など、園ごとに定められた書式にAIの生成文が沿っているかを確認します。書式が異なる場合は手動で調整しましょう。
最終確認チェックリスト

- 事実と一致しているか確認しましたか
- AIへ入力したメモや生成途中のデータに、不要な個人情報が含まれていないか確認しましたか
- 誤解を招く表現がないか確認しましたか
- 園の書式・文字数に合っているか確認しましたか
- 保育士自身の評価・見立てが反映されているか確認しましたか
よくある質問
Q1. AIで保育要録を作ってもよい?
AIを業務で使用できるかは、園、法人、自治体の規程や使用するサービスによって異なります。利用前に園長や主任へ確認し、承認された環境で、匿名化した記録の整理や下書き補助として使用しましょう。最終的な評価、確認、提出判断は保育士が行います。
Q2. ChatGPT無料版でも使える?
本記事で紹介したプロンプトは、無料版でも利用できる場合があります。ただし、業務利用の可否やデータの取り扱いはサービスの利用条件によって異なるため、園のルールと利用するサービスの最新の条件をあわせて確認しましょう。
Q3. 個人情報は入力できる?
子どもや保護者の氏名、園名、住所、写真、病歴、家庭事情など、個人が特定できる情報は入力しないことが原則です。氏名を記号に置き換えるだけでなく、組み合わせによって個人が推測される情報も削除したうえで入力しましょう。
Q4. 総合所見も作れる?
5領域の視点でまとめた記述を用意したうえで、専用のプロンプトに入力することで下書きを作成できます。ただし最終的な文章としてのまとまりは保育士が調整する必要があります。
Q5. 保育士が最後に確認する理由は?
保育要録は子どもの育ちを引き継ぐための記録であり、事実確認と専門的な評価はAIには代替できないためです。
まとめ
保育要録の作成にAIを活用することで、文章の整理や言い換えにかかる時間を削減できます。ただし、保育要録は子どもの育ちを引き継ぐための記録であり、AIが生成した文章をそのまま提出することはできません。
「保育メモ→匿名化→AI→5領域の視点で整理→保育士確認→園の様式へ反映」という流れを守り、評価・事実確認・最終判断は必ず保育士自身が行うことが、安全かつ効率的なAI活用の鍵となります。本記事で紹介したプロンプトを日々の業務に取り入れ、負担の大きい保育要録作成を効率化してください。
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