閉園後、やっと保育日誌に向き合える時間になった。そんな一日を過ごしている保育士の方は多いのではないでしょうか。
一日の出来事は覚えているのに、いざ文章にしようとすると手が止まる。援助や評価の欄で毎回悩んでしまう。行事準備や保護者対応が続くと、日誌だけがどんどん後回しになる。
この記事では、保育日誌の下書きをAIで作成する方法を、実際に使えるプロンプトつきで紹介します。結論から言うと、AIに任せきりにするのではなく、AIに「最初の一文」を出してもらい、保育士が最後に確認・修正するという使い方が、現場に取り入れやすい方法です。
個人情報を入力しないこと、AIは事実確認をしないことなど、安全に使うための注意点もあわせて説明します。
保育日誌とは(連絡帳との違い)
保育日誌は、その日の保育のねらいに対して、子どもたちの様子や保育者の援助、振り返りを記録する書類です。
似たものに連絡帳がありますが、読む相手も目的もまったく違います。
連絡帳は保護者に向けて、その日の子どもの様子を伝えるための書類です。一方の保育日誌は、保育者自身や園のために、保育の記録・評価として残す書類にあたります。
違いを整理すると、以下のようになります。
| 項目 | 連絡帳 | 保育日誌 |
|---|---|---|
| 読む人 | 保護者 | 職員 |
| 目的 | 様子を伝える | 保育の記録・評価 |
| 視点 | 保護者目線 | 保育者目線 |
| 内容 | 一日の様子 | 援助・評価・振り返り |
| AI活用 | 文章作成の補助 | 記録・評価整理の補助 |
読む相手が違うぶん、書き方も変わります。連絡帳は伝わりやすい言葉を選びますが、保育日誌では援助のねらいや根拠を書く場面が増えます。
AIでできること
AIに保育日誌のすべてを任せることはできません。ただし、下書き作成の部分では、かなり負担を減らせます。
AIが得意なのは、以下のような作業です。
- メモを文章に整える
- 一日の出来事を時系列で並べる
- 援助の言い回しを提案する
- 振り返り・評価のたたき台を作る
反対に、AIにできないこともあります。
- 実際に何があったかの事実確認
- 子どもの様子の正確な判断
- 最終的な評価の決定
- 個人情報の安全な取り扱い
事実の確認と最終判断は、保育士自身が担う部分です。AIはあくまで、文章にする手前の負担を減らす役割になります。

保育日誌は、保育計画の一部でもあります
保育日誌は、単独で存在する書類ではありません。月案・週案という保育計画とつながっています。
流れにすると、以下のようになります。
- 月案
- 週案
- 保育実践
- 保育日誌
- 評価・振り返り
- 次の月案
日誌に書いた振り返りは、週の評価につながり、次の月案を立てるときの材料にもなります。保育日誌をAIで整えることは、この流れ全体の負担を減らすことにもつながります。
月案・週案の作成にAIを使う方法は、関連記事でも紹介しています。保育園の月案をAIで作成する方法と、月案から週案をAIで作成する方法もあわせてご覧ください。
AIで保育日誌を作る流れ
実際の流れは、それほど複雑ではありません。下の図解を見ると分かるように、流れはとてもシンプルです。

- 保育メモを用意する
- ChatGPTに入力する
- 一日の記録・保育者の援助・振り返り・評価の下書きを受け取る
- 保育士が確認・修正する
- 保育日誌が完成する
まず、日中にとったメモをChatGPTに渡します。そこから、記録・援助・振り返り・評価という形に整えてもらいます。
出てきた文章をそのまま使うのではなく、事実と違う部分がないか、園の評価基準に合っているかを確認してから使います。
保育メモの取り方
AIに渡すメモは、細かく整った文章である必要はありません。
- 何歳児クラスか
- どんな場面だったか
- 子どもの様子で気づいたこと
- 保育者が声をかけたこと・工夫したこと
この4つが箇条書きであれば、AIは十分に文章化できます。
そのまま使えるプロンプト
以下は、保育メモから保育日誌の下書きを作るプロンプトです。コピーしてそのまま使えます。
あなたは保育士の保育日誌作成を手伝うアシスタントです。
以下のメモをもとに、保育日誌の下書きを作成してください。
・年齢:
・場面(活動内容):
・子どもたちの様子:
・保育者の援助・声かけ:
・気づいたこと:
出力形式:
1. 一日の記録
2. 保育者の援助
3. 振り返り
4. 評価(気づいた点・次につなげたい点)
条件:
・子どもの名前や園名などの個人情報は入力しません。伏せ字や「〇歳児」のような表現を使ってください。
・断定しすぎず、保育士が確認・修正しやすい文章にしてください。
・事実にない内容を創作しないでください。
年齢欄には「〇歳児」、場面には「戸外遊び」「食事」など、個人が特定されない言葉を入れます。
評価欄が苦手な場合のプロンプト
評価欄だけ手が止まりやすいという声もよく聞きます。その場合は、以下のように評価だけを頼む方法もあります。
以下の保育の記録をもとに、振り返りと評価の文章案を3つ提案してください。
・場面:
・子どもたちの様子:
・保育者が行った援助:
条件:
・断定表現ではなく、保育士が選んで修正しやすい文章にしてください。
・評価は園児ではなく、保育者の援助や環境構成を中心に書いてください。
・個人が特定される情報は含めないでください。
3つの案から近いものを選び、自分の言葉に直していく使い方が、無理なく続けやすい方法です。

日誌の質を上げるコツ
同じプロンプトでも、メモの渡し方次第で仕上がりが変わります。
- 場面は具体的に書く(「遊び」より「泥だんご作り」)
- 子どもの様子は行動で書く(「楽しんでいた」より「何度も作り直していた」)
- 援助は保育者がした行動を書く
- 出てきた文章は、必ず自分の言葉に直してから使う
行動をもとにしたメモのほうが、AIも具体的な文章を作りやすくなります。抽象的な言葉だけを渡すと、当たり障りのない文章になりがちです。
使うときの注意点
AIを保育日誌に使う場合、いくつか気をつけたい点があります。
- 子どもの名前・保護者名・園名は入力しない
- 住所や地域名など、個人が特定される情報も入力しない
- AIは事実確認をしないため、内容の正確さは保育士が確認する
- 出てきた評価をそのまま使わず、保育士自身の判断を通す
- 園によってはICTツールの利用ルールが定められているため、事前に確認する
法人向けのAIツールを使う場合も、注意は変わりません。管理設定によって学習利用を避けられる場合がありますが、それでも個人情報を入力しない前提は変わらないという理解で使うことをおすすめします。

よくある質問
AIが作った文章を、そのまま提出してもいいですか
おすすめしません。事実確認と最終判断は、保育士自身が行う部分です。AIの文章は下書きとして扱い、内容を確認してから提出してください。
無料のChatGPTでも使えますか
無料版でも、この記事のプロンプトは使えます。ただし、入力した内容の扱いはサービスやプランによって異なるため、個人情報を入力しない前提はどのプランでも変わりません。
園独自の日誌フォーマットにも対応できますか
園によって項目や書式が異なるため、この記事のプロンプトはそのまま使える一般的な形にしています。園の書式に合わせたい場合は、プロンプトの出力形式の部分を、園のフォーマットに沿って書き換えて使ってください。
評価欄の書き方に自信がありません。AIに任せてもいいですか
評価の方向性を考える補助として使うのは問題ありません。ただし、最終的にどう評価するかは、保育士自身の判断で決める部分です。
毎日AIを使うと、書く力が落ちませんか
たたき台をAIに出してもらい、自分の言葉に直す作業を続けることで、書き方のパターンが身についていくという使い方もできます。すべてを任せきりにしないことが、書く力を保つポイントになります。
スマートフォンだけでもできますか
ChatGPTのアプリがあれば、スマートフォンだけでも入力・確認ができます。ただし、園の情報端末利用ルールを事前に確認してください。
ICTシステムに貼り付けても大丈夫ですか
園の運用ルールとサービス提供元のルールを確認したうえで、内容を見直してから入力することをおすすめします。データの取り扱いや保存期間は、ICTシステムによって異なります。
保育日誌以外にも使えますか
同じ考え方は、週案や月案の下書き作成にも応用できます。保育計画全体でAIを取り入れたい場合は、関連記事もあわせて確認してください。

まとめ
保育日誌は、連絡帳とは読む相手も目的も異なる書類です。AIは、その下書き作成の負担を減らす道具として使えます。
メモをもとに記録・援助・振り返り・評価のたたき台を作ってもらい、最後は保育士が確認・修正する。この形であれば、無理なく現場に取り入れられます。

毎日の記録が整ってきたら、次は月案・週案の作成にもAIを活用できます。保育園の月案をAIで作成する方法、月案から週案をAIで作成する方法もあわせてご覧ください。
保護者向けのお知らせ文にもAIを活用したい方は、保護者向けのお知らせ文をAIで作成する方法も参考にしてください。
