行事担当になると、毎年悩むのが「今年は何をやろう」という部分です。
去年と同じ内容にすると手抜きに見える気がするし、かといって新しいことを考える時間もなかなか取れません。
ねらいや活動内容、準備物まで一人で組み立てるとなると、それだけで半日仕事になることもあります。
この記事では、保育行事の企画・ねらい・活動内容・準備物・当日の流れを考えるときに、ChatGPTなどのAIをどう使えるかを整理します。
行事企画は毎回ゼロから考えるものではなく、AIを使いながら組み立てていくやり方もあります。
先に結論を言うと、AIは行事を丸ごと考えてくれる道具ではありません。
企画のたたき台を出してもらい、そこから保育士が現場に合わせて調整していく、という使い方が現実的です。
保育園の行事アイデアをAIに相談してもいいの?
結論から言うと、相談すること自体には問題がありません。
行事の企画は、ゼロから案を出す作業がいちばん時間を取られます。
去年のファイルを見返しながら「今年は何か変えたい」と思っても、白紙の状態から考えるのはかなり負担が大きい作業です。
AIにテーマや年齢層を伝えると、案をいくつか返してくれます。
そこから園の実情に合いそうなものを選び、手直ししていく流れです。
たとえば「4歳児クラス、秋の行事、製作を中心にしたい」と伝えるだけでも、いくつかの切り口が返ってきます。
ここで大事なのは、出てきた案をそのまま採用しないことです。
その園の広さや人数、去年の反省点はAIには分かりません。
最終的に「これでいけるか」を判断するのは保育士自身です。
次の章では、AIに任せてよい部分と、任せられない部分を分けて整理します。
AIに任せられること・任せられないこと
行事の企画づくりを分解すると、AIが得意な部分と、そうでない部分がはっきり分かれます。
| AIに任せやすいこと | 保育士が確認・判断すること |
|---|---|
| アイデア出しのたたき台 | 園の人数・広さに合うか |
| ねらいの文章化 | 発達段階に合っているか |
| 活動内容の整理 | 安全面の確認 |
| 準備物のリストアップ | 実際に用意できる量か |
| 当日の流れの叩き台 | 天候・時間配分の最終調整 |
こうして並べると、AIは「案を形にする」作業が中心だと分かります。
一方で、その案が今年のクラスに合っているかどうかは、現場を見ている保育士にしか判断できません。
AIが出した案を鵜呑みにせず、たたき台として扱う。
この前提を持っておくと、後の作業がぐっと楽になります。
行事アイデアをAIで考える基本の流れ
行事準備は、いきなり活動内容から考え始めると迷子になりがちです。
企画→ねらい→活動内容→準備物→当日の流れ、という順番で進めると、抜け漏れが減ります。

企画の方向性を出す
まずは大きな方向性を決める段階です。
年齢、季節、行事の目的(発表・体験・交流など)をAIに伝えると、方向性の案が返ってきます。
ここではまだ細かい活動内容まで決めなくてかまいません。
ねらいを整理する
行事のねらいは、書類上も必要になる部分です。
「何を経験してほしいか」を一言で伝えると、ねらいの文章として整理してくれます。
出てきた文章は、そのまま使うより、自分のクラスの言葉に置き換えると自然になります。
活動内容を組み立てる
ねらいが決まったら、それに沿った活動内容を考えます。
製作、ゲーム、発表など、行事の性質に合わせて具体案を出してもらう段階です。
準備物を洗い出す
活動内容が決まると、必要な材料や道具が見えてきます。
AIに活動内容を伝えれば、準備物の一覧をリストアップしてくれます。
ここで出てきたリストは、園にある在庫と照らし合わせて調整してください。
当日の流れを整理する
最後に、当日のタイムスケジュールを整理します。
集合から片付けまでの大まかな流れを作ってもらい、実際の時間割に合わせて微調整する形です。
この5ステップは、行事の種類が変わっても基本的に同じです。
次の章では、実際にそのまま使えるプロンプトを紹介します。
そのまま使える汎用プロンプト
行事ごとに毎回プロンプトを一から考えるのは大変です。
まずは、どの行事にも使える汎用プロンプトを一つ持っておくと、応用がききます。
あなたは保育園の行事企画を手伝うアシスタントです。 以下の情報をもとに、行事の企画案・ねらい・活動内容・準備物・当日の流れを整理してください。 ・対象年齢: ・季節/行事名: ・行事の目的(発表・体験・交流など): ・時間の目安: ・重視したいこと(安全面、製作、体を動かす、など): 出力は「ねらい」「活動内容」「準備物」「当日の流れ」に分けてください。 子どもの名前や園名など、個人が特定される情報は入力しません。
このプロンプトは、行事名や年齢を書き換えるだけで、どの行事にも使い回せます。
各行事に特化した細かいプロンプトについては、夏祭りや運動会など個別のテーマで別記事にまとめる予定です。
まずはこの汎用プロンプトで、企画の流れをつかんでみてください。
入力前に埋めておきたいメモ
プロンプトを打ち込む前に、以下のメモを埋めておくと入力がスムーズです。
- 年齢:
- 人数:
- 時間:
- 場所:
- 使える材料:
- 避けたいこと:
このメモをそのままプロンプトの各項目に当てはめれば、迷わず入力できます。
同じ考え方は、行事だけでなく月案や週案の下書きにも応用できます。
書類作成でAIを使ってみたい方は、月案や週案の記事もあわせて参考にしてください。
行事別にイメージするAI活用
年間の行事は種類も多く、時期によって考えることも変わります。
ここでは代表的な行事について、AIをどう使えそうかを簡単に紹介します。
詳しいプロンプトではなく、活用イメージとして参考にしてください。

| 行事 | AI活用のイメージ |
|---|---|
| 春の行事(入園・進級) | 新しいクラスに慣れるための活動案出し |
| 夏祭り | 出し物・屋台のアイデア出し、役割分担の整理 |
| 七夕 | 製作アイデア、由来を伝える簡単な説明文 |
| 水遊び | 安全面を踏まえた活動内容と注意点の整理 |
| 運動会 | 種目案、進行表のたたき台作り |
| ハロウィン | 製作・仮装アイデア、由来をやさしく伝える文章 |
| クリスマス会 | 出し物や飾りつけのアイデア出し |
| お楽しみ会 | クラスに合わせたゲーム案の提案 |
| 発表会 | 演目案、練習スケジュールのたたき台 |
| 節分 | 由来の説明文、製作アイデア |
| ひな祭り | 製作アイデア、由来を伝える文章 |
| 卒園式 | 式次第のたたき台、言葉の文章整理 |
夏祭り、運動会、発表会については、活用の幅が広いため、それぞれ個別の記事で詳しく扱う予定です。
まずはこの記事で、行事とAIの組み合わせ方の全体像をつかんでください。
AIで行事を考えるときの注意点
AIを行事準備に使ううえで、押さえておきたい注意点があります。
- 子どもの名前、保護者名、園名など個人が特定される情報は入力しない
- 写真や顔がわかる画像、住所、地域名も入力しない
- 個人が特定されるほど詳しい出来事は書かず、概要だけ伝える
- 「〇歳児」「製作」「発表会」など、抽象化した言葉に置き換えて伝える
- AIが出した案をそのまま採用せず、園の状況に合わせて調整する
- 安全面に関わる内容は、必ず保育士自身の目で確認する
- 園でAIを使ってよいか、事前にルールを確認しておく
法人向けプランを使えば個人情報の扱いが安心、というわけではありません。
どのプランであっても、個人が特定される情報は入力しない、という前提は変わらないと考えておいてください。
個人情報の扱いについてもう少し詳しく知りたい方は、個人情報保護のルールをまとめた記事もあわせて確認しておくと安心です。
AIに向いているのは、あくまで案を形にするところまでです。
最終的な判断は、現場を知っている保育士の役目として残ります。
AIに相談する前の確認チェック
行事アイデアをAIに相談する前に、以下を確認しておくと安心です。
- □ 年齢を書いた
- □ 行事名を書いた
- □ 園名を書いていない
- □ 子どもの名前を書いていない
- □ 保護者に関する情報を書いていない
- □ 出てきた案を園の状況に合わせて確認するつもりでいる
このチェックを済ませてから相談すれば、安心して案を出してもらえます。
よくある質問
無料版のChatGPTでも行事アイデアは考えられますか。
無料版でも、この記事で紹介した基本的なプロンプトを試せます。
利用できる機能や回数は時期やプランによって異なるため、現在の利用画面で確認してください。
去年の行事内容をそのまま入力してもいいですか。
行事の流れや反省点を抽象化して伝える分には問題ありません。
ただし、子どもや保護者に関する具体的なエピソードは入力しないようにしてください。
ねらいの文章もAIに書いてもらえますか。
はい、伝えたい経験や目的を一言で伝えれば、ねらいの文章として整理してもらえます。
そのままではなく、自分のクラスの言葉に直すと自然な文章になります。
行事ごとにプロンプトを毎回変える必要がありますか。
基本の型は同じプロンプトで対応できます。
行事名や年齢、重視したい点だけを書き換えれば、応用がききます。
スマートフォンだけでも使えますか。
はい、ChatGPTのアプリやブラウザ版であれば、スマートフォンからでも入力・確認ができます。
通勤時間や休憩時間に案を出しておき、後から見直す使い方もできます。
園長や主任にAI活用をどう説明すればいいですか。
「アイデア出しのたたき台として使い、最終判断は保育士が行う」という説明が伝わりやすいです。
園によって方針が異なるため、導入前に一度相談しておくと安心です。
行事の企画会議にAIの案をそのまま出してもいいですか。
たたき台として共有する分には問題ありませんが、AIが作った文章とは伝えたうえで使うことをおすすめします。
会議の場でも、案を出発点として調整していく形が現実的です。
まとめ
行事アイデアをAIで考えるときは、企画を丸投げするのではなく、下書きを作ってもらう感覚で使うのがポイントです。
企画→ねらい→活動内容→準備物→当日の流れ、という順番で進めれば、抜け漏れも減らせます。
この流れは年間行事のどの場面でも使えるので、行事企画のたびに一から悩む負担を減らせます。
行事以外の業務でAIを活用したい方は、連絡帳やおたより、月案・週案、保育日誌など、それぞれの場面に合わせた記事も参考にしてください。
個人情報の扱いや園内でのルールについても、事前に確認したうえで活用を進めてください。
